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ピアノレッスン

アメリカの音楽教育現場とは?質問を鍛える!〜3つの質問の種類

投稿日:2020年6月1日 更新日:


レッスンで気をつけていることの1つとして、

『質問を投げかける』

ことを意識しています。

限られたレッスン時間なので、なるべく多くを学んで欲しくて
これはこうで、、、と答えを教えてしまう時もありますが
生徒さんに気付きを与え、頭の中にあるものを整理して
自発的に解決できるようにと心がけて
質問をするようにしています。

皆様は、レッスン中にどのような質問を投げかけていますか?

3つの質問の種類 


よくビジネス書などでも見かける内容ではありますが、
質問は整理するといくつかの種類に分けられます。
今回は大きく3つの種類に分けてみました。
この3つの質問グループの違いをぜひ考えてみて下さい!

グループ①

  • もうちょっとゆっくり弾いてみて?
  • 片手ずつ弾いてみようか?
グループ②

  • この曲、練習した?
  • これは何の音?
  • この音は何の指で弾く?
  • この部分の強弱記号は何だったか覚えてる?
グループ③

  • この曲どんな風に練習してみた?
  • 5小節目の指使いを変えてみたらどうなる?
  • ここはどんな気持ちで弾きたいのかな?
  • このフレーズはどこに向かってる?

グループ①は、『偽物の質問』です。
どういう意味かというと、グループ①の質問は、全く質問ではなく、質問という服をまとった直接的な指示です。
 
グループ②は、『やせ細った質問』です。
このグループの質問は、クローズド・クエスチョン(特定質問)と説明されるもので、クローズ(閉める)すなわち質問することで会話が終わってしまう質問です。『はい』や『いいえ』または、短い答えで解答できます。
 
グループ③は、『豊かな質問』です。
このグループの質問は、オープン・クエスチョン(拡大質問)といわれるもので、決まった解答がなく自由に回答できるものです。生徒さんが十分に考え、会話の所有権を持って説明することができるので、私たちはよりたくさんの情報を得ることができます!この様な質問が学習につながる質問と言えるようです。
 


残念ながら振り返ってみると、先週のレッスンは、
たくさんの『偽物の質問』と『やせ細った質問』で終わっていました⤵︎
答えを教えてしまうと一時的には良くなるのですが、
やはり忘れてしまい、元に戻ってしまうのも早いです(><)

やせ細った質問


やせ細った質問が必要な場合も、もちろんあります!生徒さんは、答えが限定され、すぐに解答出来るので、あまり質問をされることに慣れていない生徒さんや、自分から話をするのが苦手な生徒さんには、私(ピアノの先生)に会話のコントロール権が残るので、安心して返答できる環境だと思います!事実や考えを確認したい時に活用します。

例:

  • 定義 – クレッシェンドって何かな?
  • 暗記 – この音は何かな?
豊かな質問


豊かな質問をする事によって、より長い答えを必要とするので生徒さんはよく考え、一生懸命反応しようとします。自分の意見をよく考える必要があるので、質問が感情とつながり、より定着しやすいですし、上位思考スキルの思考に導く手助けにもなっていると思います。

例:

  • 比較 – この曲を違うテンポで弾くと、どんな感じになるかな?
  • デザイン – このフレーズどんな風に弾きたい? なんでそんな風に弾きたいと思う?
アメリカの大学での授業


大学時代を振り返ってみると、アメリカで授業中に受けた質問の多くは

『豊かな質問』だったなと思います。
授業はもちろん、テストにも暗記問題(YES /NO問題)は
あまり出ず
授業で得た知識を、自分がどう感じて
どう使たいのかが問われていました。

ピアノ教育法の授業では、音楽教育の歴史や
メソッド研究などを勉強するのですが、
テストに出る質問は、例えば
『Intermidiate(中級レベル)
男の子が他教室から移ってきました。
ちょうどペダルを使う曲を勉強するところです。
あなたはペダルを初めて勉強する生徒に何の曲を与え、
これからどのような教材を使って勉強を進めますか?』とか。

音楽史の授業では、色々な作曲家の曲の様式や特徴などを勉強して
テストに出たのは、クラスメート皆同じメロディが与えられて、
これをショパン風に、リスト風に、シューマン風etc.に作曲しなさい。
それぞれの作曲家のスタイルを勉強したから、出来るでしょ?
っていう質問。とか

ポエムが書いてあって『あなたはこのポエムについてどう思いますか?
今学期の授業内容を反映させて答えよ。などなど。

正解のある問題の解き方を教えるのではなく
問題に対して自分なりの答えを見出して
そしてその解答に妥当性と根拠を
自分の中にある、ありとあらゆる引き出しから
探し出すような感覚でした。
そのような姿勢を子どものうちから養えると良いですね。
そして教授は生徒一人ひとりの意見を尊重してくれていました!

自分のレッスンを振り返って


なかなか自分がとういう風にレッスンしているか
振り返る機会を持つことは少ないです(><)
ですが、振り返らなければ気づかないことも
多いので、大切なことだなーと改めて思います。

どの質問が良い悪いではなく、様々なタイプの質問を使い分け、
うまく組み合わせていくことが大切かなと思います!

まずは『やせ細った質問』で質問に慣れてもらい、
そこから『豊かな質問』で生徒さんから
豊かな反応✨を引き出せるように!

レッスン中に、
『この状況で、このことを伝えるために、
今どんな質問を投げかけるのが効果的であるか?』
と即座に考えられるように、私も質問力を鍛えて、
生徒さんの前向きな学習をサポートしたいと思います!

一方通行にならないように、
コミュニケーションをとりながら
生徒さんが自分の頭で考える瞬間
たくさん設けることを意識して
今週から対面レッスンに切り替えなので、
気持ち新たに頑張ります!

 

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